古くから多くの企業が社員向けに「社内報」を発行しています。
月刊総務オンラインによると、「目標の共有」「情報の公開と共有」「教育・気づきの場」「風通しの良い活力ある風土作り」が社内報の役割だそうです。
ある程度の規模の会社にお勤めの方であれば、定期的に社内報を目にしているかも知れません。みなさんの会社の社内報にはどんなコンテンツが掲載されているでしょうか?
経営陣からのメッセージ、経営状況、人事制度やルールの紹介、新入社員や成績優秀者の紹介…といったところが一般的な内容ではないでしょうか。
そもそも社内報というのはいつ頃からあるものなのでしょうか?
少し調べてみると、社内向けに出される刊行物という意味では、1840年に米国の紡績会社で働く女工によって発行された「Lowell Offering」というものが最も古いそうです。ただ内容は詩やエッセイ、フィクションを中心とした社内文芸誌(同人誌)のようなものでした。
その後1860年代ごろから保険会社を中心に、従業員や関係者に情報と気づきを与えるような、現在の内容に近い形の社内報が発行されるようになってきたそうです。保険会社が他業界に先駆けて社内報を発達させたのは、保険を扱うエージェントとの情報共有が営業上重要だったためかも知れません。
国内では、鐘淵紡績(後のカネボウ)の兵庫工場にて1903年に発行された「兵庫の汽笛」が社内報の第一号だと言われています。参考にしたのは当時職工を3000人抱えていた米国ナショナル・キャッシュ・レジスター社の社内報とのこと。
このように米国でも日本でも、社内報はそれぞれの産業革命期にすでに誕生していたようです。企業の近代化と社内報とは切っても切れない関係にありそうです。
近年ではイントラネットなどで閲覧できる、Web版の社内報を運営されている会社も多いのではないかと思いますが、まだまだ紙の社内報も主流だそうで、PC・スマホ・イントラネットといった情報環境が整ったとしても、紙の社内報が一気に無くなってしまうといったことは無さそうです。
(モノとして定期的にデスクの上に配布することで「上意下達」感がはっきり視覚的に感じられるため、経営者にとっては満足度が高いのかも、と単純に思ったりもしますが…)
さていきなりですが、ここで企業のWebサイトの話に移ります。
コンテンツマーケティングの重要性が叫ばれている昨今ですが、「外に向けて出せるようなコンテンツは無い」と考えて、オウンドメディア等による情報発信に二の足を踏んでいる企業も多いのではないでしょうか。
そんな場合でも社内報を発行されているのであれば、その内容を外向けに再編集し活用することで、魅力あるコンテンツを作れるかも知れません。
社内報向けに用意したトップメッセージ、製品やサービスの開発者インタビュー、新入社員の紹介、スポーツなどのサークル活動紹介など。こうした社内報の記事内容をオウンドメディアのコンテンツとして活用することは充分考えられるでしょう。
特にリクルーティングを目的とした情報発信に、こうした社内の生の声を伝えるコンテンツは適していると思われます。
紙であれWeb版であれ、社内報をお持ちの企業の方は今後こうしたコンテンツ活用についても検討してみてはいかがでしょうか。