オウンドメディア運営を通じてファンを獲得するには、コンテンツである記事の内容で「ユーザーをどれだけ引きつけられるか」が勝負です。
質の高いコンテンツを育成できれば、オウンドメディアが会社の資産となってWeb広告以上の成果を出すことも夢ではありません。
ただ、コンテンツのクオリティを上げるといってもどのように書けばよいのか? 内容は何がいいのか? 頭を悩ませる担当者の方も多いでしょう。今回はオウンドメディアの記事コンテンツの書き方について、制作の流れを踏まえながらご説明します。
目次
オウンドメディア 記事作成の流れをざっくり
本記事はオウンドメディアの記事の書き方をご案内しますが、「書く」とは執筆作業だけを指すのではありません。コンテンツの内容を絞り込み、記事の流れを組み立てて、文章で表現する。この一連の作業すべてを「記事の書き方」ととらえます。
記事作成の流れ④STEP
STEP①内容とキーワードを決める
↓
STEP②構成を組み立てる
↓
STEP③文章を執筆する
↓
STEP④挿絵や図を検討・準備する
記事をつくる上では、文章を書くことそのものよりも、むしろ執筆にいたるまでの記事考案、構成づくりが大切です。というのも、オウンドメディアで成果を出すには、記事を読んだユーザーにファンになってもらわなければなりません。
読者を引きつけるような内容が備わって初めてオウンドメディアに価値が出ます。そう考えれば、記事づくりは文章を作るもっと前、内容を考える瞬間から始まるのです。
次の章からは、記事の書き方を4つの手順に分けて解説していきます。
Web制作・コンテンツ制作をご検討中の企業様、内製が負担になっている担当者様、「Web制作会社スプー」に、お気軽にお問い合わせください!
記事の書き方STEP①内容とキーワードを決める
記事の読者が求めるのは情報です。まずは「どう書くか」よりも「何を書くか」に重きを置いて内容を決めていきます。
内容の絞り方:「課題を解決する内容とは?」を考え抜く
オウンドメディアの基本的なニーズは「課題を解決すること」「疑問に答えること」です。
あなた自身も、検索するときには何か知りたいことがあって調べますよね?
記事コンテンツのテーマを考える際、まずは「自社の商品・サービスが、ターゲットにとってどのような課題を解決するか」から逆算して考えましょう。そのためには自社商材はもちろん、ターゲットを深く理解していなくてはいけません。市場調査などのデータから、どういう情報が求められているのかを導き出します。
たとえば……。
あなたの会社が子ども向けレイングッズを製造・販売していて、中でも視認性の高いレインコート、水に濡れた道でも滑りにくい長靴など安全性に特化したシリーズがあるとします。
それらの商品は「雨の日は通学路が薄暗くなって困る」「水たまりで転ばないか心配」という保護者のニーズを満たしますよね。
となると、記事コンテンツを制作する場合に「雨の日の通学に関する心配事に寄り添い、通学を安全・快適にする工夫や商品を伝える」といった方向性が考えられます。
内容の絞り方:検索キーワードを選定する
いくら有益な情報を発信しても、ターゲットにコンテンツまでたどり着いてもらわなければ意味がありません。記事の内容が決まったら、次は検索キーワードを選定します。
ターゲットユーザーが課題・ニーズに対してどのようなキーワードで検索するかを考えましょう。
候補が挙がったら、キーワードに需要があるのか(=検索ボリュームがあるか)も把握しておく必要があります。検索ボリュームが大きすぎると、競合の多さから上位表示されにくくなってしまうためです。
そこで、初期の手法としておすすめなのが「ロングテールキーワード」を使う方法です。ロングテールキーワードとは、複数の語句(3語程度)から構成した、検索ボリュームが比較的少ないキーワードのこと。ピンポイントなニーズを持つターゲット層を適確に拾い上げられるメリットがあるだけでなく、検索結果で上位表示できる可能性が高まります。
また、メインとなるキーワードで検索ボリュームが小さい(=ニーズが少ない)からといってオウンドメディアをつくる意味がないかといえば、決してそうではありません。
オウンドメディアはたくさんの記事で構成されていくものですし、「当社はこのジャンルの専門です」とブランディングしていくのであれば、関連コンテンツは積極的に制作することをおすすめします。
内容の絞り方:競合ページを分析する
キーワードが決まったら、現状の検索結果で上位表示されている記事をチェックしましょう。
上位表示ページは、Googleが「そのキーワードに関する課題解決に貢献している」と評価しているページです。タイトルや見出し、内容をリサーチして、自社の記事に反映できる内容がないか分析しましょう。
といっても、そのまま真似をするのは倫理的にも著作権的にもNGです。記事の流れや内容のチョイスなど、あくまで記事をつくる上での参考にとどめ、自社ならではの内容に仕上げることが大切です。
内容の絞り方:いろいろな見せ方で検討する
「オウンドメディアのコンテンツ」というと読みもの系のイメージが強いですが、ターゲットや内容によっては記事コンテンツがベストでないかも?文章で伝えるかたちが本当にふさわしいのか、記事作成に入る前に最終検討しましょう。
たとえば、商品の使い方手順なら動画の方が伝わりやすいかもしれませんし、シリーズの分類解説ならフローチャートで見せるのがベターな場合もあるでしょう。また近年、ニッチなファンのいるカテゴリーでは、より親しみを持ってもらう手法として音声コンテンツを配信(Voicy、Podcastなど)している企業もあります。
動画検索や音声検索などコンテンツにたどり着く導線も豊富になっていますし、必ずしも記事コンテンツでなくてもよいという点は押さえておきましょう。
記事の書き方STEP②構成を組み立てる
記事の全体構成をつくる
記事にする内容が決まったからといって、アタマからいきなり文章を書き進めることはおすすめしません。完成度を高めるために、記事の骨組みとなる構成をつくりましょう。
このステップをきちんと実行しておくと、あとの執筆作業がグンと楽になります。
まずはざっくり全体のストーリーを組み立てます。
取り上げる話題をグループごとに章立てし、「大見出し→小見出し→本文に書く要素」と箇条書きしていくと進めやすいですよ。このとき、コンテンツの主軸となるキーワードは必ずタイトル・見出しに盛り込んでください。SEOに効果的です。
また、たびたびお伝えしていますが、記事のクオリティを上げるには自社しか持ち得ない独自情報(一次情報)を盛り込むことが重要。読者に気づきや目新しさ、納得感を与える内容にすることを意識しましょう。
そしておおよそ全体の流れができたら、記事を訪れる読者の立場になって、課題解決が理解しやすい順序になっているか、内容に不足がないかを確認します。
記事の締め(オチ)はコンバージョンを意識して。たとえばコンバージョンが「商品購入」の場合は、記事テーマに沿った商品リストへのリンクボタンを。コンバージョンが「ブランド認知向上」なら、別記事へのリンクを貼ってWebサイトの回遊率アップを狙いましょう。
記事の書き方STEP③文章を執筆する
構成に沿って執筆。書き方のポイントは「ストレスがない文章」
②で組み立てた構成を文章で肉付けし、読みもの記事にしていきます。
文章作成のコツはいろいろありますが、最も大切なポイントは「ストレスなく読める文章であること」です。
繰り返しになりますが、コンテンツの読者は「情報」がほしくてページを訪れています。偶然たどり着いたメディアに対して、文章を読むモチベーションが高いことはめったにありません。もし読みにくい文章だったら「読むのに気力が要る。もういいや」とページを閉じてしまう可能性が高いです。
そのことを前提に、誰もが理解しやすい、読みやすい文章を心がけましょう。
といっても漠然としているので、すぐに使えるライティングのコツを少々ご紹介すると……
\ストレスなく読める文章の書き方/
- 文字の割合は「漢字:ひらがな=3:7」を意識すると読みやすくなります。
- 記事のはじめから終わりまで、文章のトーンを統一しましょう。
- 一文が長くならないようご注意。Web上なら「長くても60文字前後」と意識すると◎。
- 同じ語尾の連続を避けると、文章がグッとあか抜けます。
- 堅苦しくならないよう余白を意識し、適度に改行しましょう。
特に近年はスマートフォンで表示されるケースが増えています。画面にテキストの固まりがブワッと表示されると堅苦しい印象を与えますから、余白を意識することは大切です。
SEOで成果を出すのは初心者には難しい!?
SEOで成果を出すには専門的な知識が必要で、競合記事の文字数や共起後(キーワードと一緒に使われやすいワード)や、周辺語(キーワードから連想されるワード)を考えながら記事を構成しなくてはなりません。初めから策を講じようとしてもかなり難易度が高いです。
自社でオウンドメディア制作をするなら、初期段階では中身を充実させる点に専念しましょう。とりわけSEO対策をしなくても、ユーザーの課題解決に繋がる記事であれば自然とクリック数が増え、時間がかかってもGoogleの評価も上がるはずです。
もし「SEOに積極的に力を入れたい!」ということなら、SEOを得意とする制作会社に外注することをおすすめします。
記事の書き方STEP④挿絵や図を検討・準備する
直感的に伝えやすい素材で記事の完成度を上げる
執筆にあたり「これはフローチャートで見せる方が伝わりやすい」「グラフにする方が理解しやすい」といった内容があれば積極的に取り入れましょう。イラストや図解は文章よりも情報が伝わりやすく、印象に残りやすいメリットがあります。アイキャッチとしてユーザーの離脱を防ぐ効果も期待できるでしょう。
記事のクオリティを上げることを考えれば、オリジナル画像を用意することが理想ですが、自社で用意することが難しい場合はデータ作成だけピンポイントで外注することもご検討を。最近は低価格でプロに依頼できるサービス(ココナラ、クラウドワークスなど)が増えてきました。活用してみてはいかがでしょうか。
オウンドメディア運用のポイント:メンテナンスが大切
情報・データを更新して記事の質を担保する
ご自分がユーザーの立場だったとすると、興味があってクリックした記事の情報が古いとガッカリしますよね。オウンドメディアの運営では新しい発信を続けることも大切ですが、過去のコンテンツを更新することも欠かせません。
制作した記事はこまめに見直し、最新の情報にメンテナンスしましょう。
具体的には、たとえば「2024年最新版! おすすめ商品」という記事をつくった場合、2025年にはその記事を「2025年年最新版! おすすめ商品」にアップデートします。
常に新しい情報を求めるユーザーニーズに応えるだけでなく、Googleの評価アップ、検索順位向上にも寄与します。記事に日付を表示している場合、あわせて更新することをお忘れなく。
制作事例ご紹介。オウンドメディアの記事制作・運用はお任せください!
今回は記事コンテンツの書き方と制作の流れを見てきました。
読みもの記事をつくるというと、つい文章を書くことに意識がいきがちですが、実はその手前の段階「内容・構成をしっかり考えること」が大切だとお分かりいただけたのではないでしょうか。
内容・構成を練るには、業界やユーザーの動向を見極めるスキル、マーケティングの知見が欠かせません。もし社内に適した人材がいない、ノウハウがない場合は、ぜひ制作スキルに長けたプロに依頼することをご検討ください。
私たちスプーは、創業以来たくさんの企業様のオウンドメディア・Webコンテンツの企画・制作に携わってきました。
大切にしているのは、単純にコンテンツを制作するのでなく、クライアント様の事業課題解決に向けて伴走すること。そのために“ヒアリング”と“方向性のご提案”、つまり「内容・構成をしっかり考えること」を重視しています。
ここで1つ、オウンドメディア制作を含む成功事例をご紹介します。
ミツイワ株式会社様
企業向けにICTシステムの導入支援を行うミツイワ株式会社様の、Webサイトのフルリニューアルをお手伝いしました。
旧サイトの課題は、専門性の高い商材ゆえWebサイトがカタログ的になりがちなことでした。そこで弊社では、まずWebサイトの情報を徹底的に整理し、ユーザーが適切な情報や商材にたどり着けるようサイトの導線を改善。あわせてオウンドメディアを制作し、初期運用まで担当しました。
オウンドメディア制作において大切にしたのは、SEO流入を意図した記事を作成すること。そして社内に眠る技術やノウハウを親しみやすい情報として発信し、コンバージョンに貢献することでした。
リニューアル後は訪問ユーザーが1.5倍以上に増加し、オウンドメディアに掲載したAI関連、IoT関連のキーワードを設定した記事はGoogleの検索結果で1位表示を獲得。リード獲得やブランディングの推進に寄与しています。
上記でご紹介した制作事例のように、Spoo! inc.ではオウンドメディア運用にとどまらない、目的達成への一気通貫での支援が可能です。
マーケティング全体を俯瞰した改善施策で、ビジネス、集客を強力に後押しします。
これからオウンドメディアを作りたい、運用していきたいとお考えのマーケターの方、ご興味を持っていただけましたら、ぜひ制作実績をご覧ください。