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そのオウンドメディアに「戦略」はありますか?間違えない戦略設計のために知っておきたい4つのポイント

「知らない間に、ライバル企業がオウンドメディアを立ち上げてる!うちも早くやらなきゃ」そう言われて、とにかく作ってはみたけれど、半年たっても1年たっても目に見えた成果はなく、記事を作り続けるのもしんどい、運用の分析もろくにできていない…やがて疲弊した担当者は思います。「そもそも、何のためにオウンドメディアやってたんだっけ?」
こうした失敗を防ぐために、最初に考えなければならないのは「戦略」です。これからオウンドメディア運営を始めようと考えている皆様にぜひ知っていただきたい戦略策定のポイントについて解説していきます。

ビジネスにおける「戦略」とは?

まずは一般的な話として、ビジネスにおける戦略とは何ぞやという話から始めましょう。
「戦略」は「戦術」とセットで捉えると分かりやすいです。それぞれ次のような意味になります。

戦略:ビジネスで成功するための長期的・大局的な目標や策略
戦術:戦略で掲げた目標・策略に基づく具体的な手段や方法

例えば、ある飲食店で「健康志向のお客様をターゲットにして他店との差別化を図りたい」と考えたとします。これは戦略です。
そして、この戦略を推進するための具体的な手法、例えば「希少なオーガニック食材を使う」「オリジナルのダイエットメニューを開発する」「地元のスポーツイベントに協賛する」といったものが戦術になります。

ここで重要なのは、必ず「戦略」が先で「戦術」が後にくるという点です。目標や方向性なくして、企業活動の意思決定はできません。これはどのビジネスやプロジェクトにおいても共通しています。また業務遂行が思うように進まない時や選択を誤った時も、戦略が明確であれば、戦略に従って軌道修正したり別の有効な策を講じたりすることができるのです。

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オウンドメディアの戦略策定のポイント

「戦略」の必要性をご確認いただいたところで、次に「オウンドメディアの構築」にあたり、どのように戦略を立ててゆけば良いかについてご説明します。
戦略設計というと難しそうな印象を受けますが、簡単に言うと「メディア運用の目的・目標を定め、それをどう実行していくかのスケジュールや戦力(リソース)を手配する」ということです。具体的には、次の4点を念頭に置いて考えてゆけば、間違いのないオウンドメディア戦略を確立できるでしょう。

  • いつまでに、どうなりたいか
  • ターゲットは誰か
  • 発信する情報は何か
  • 配信ペースをどうするか

いつまでに、どうなりたいか

オウンドメディアで成果をあげるために最も大切なのは、明確な目的・目標を設定することです。
当社がこれまで運営に関わってきた多数の事例を総合すると、オウンドメディア運営の目的には次のようなものがあります。

  1. 認知・集客(自社の商材と接点を持ってもらい見込み客を増やす)
  2. 受注・販売(オウンドメディアを経由しての商品・サービス購入を増やす)
  3. ブランディング(自社や商材の特徴・強みを周知しファン層を増やす)
  4. リクルート(希望する人材に自社の魅力を発信しエントリーを増やす)

こうした目的を念頭に置き、その達成に向かって「いつまでに、どうなりたいか」という具体的な目標を設定しましょう。

例えば認知や集客を目的とするならば「6ヶ月でオウンドメディアのページビューを1.5倍にする」「年内にサイトからの資料請求件数を毎月100件以上にする」といった目標が考えられます。販売強化を目指すなら「1年間で既存顧客のリピート購入件数を1.5倍に増やす」、ブランディングに軸足を置くのなら「特設サイトの月間訪問ユーザー数を2倍にする」などの目標設定が可能です。
いずれにしても「いつまでに(期間)」と「どうなりたい(数値目標)」を具体的に設定するのが戦略策定の第一歩といえます。

また、期間のフェーズを区切って複数の目標を設定することも可能です。認知・集客に力を入れる段階と、受注拡大に注力する段階では目標も違ってきます。大きな目標に向かうロードマップを描きながら、具体的な戦術やKPIを柔軟に設定していきましょう。

ターゲットは誰か

オウンドメディアのターゲット設定も重要です。ここでいうターゲットとは、オウンドメディアを通じて情報発信を行う対象であり、自社の商品・サービスの顧客となりうるユーザーや企業のことです。

ターゲット像の解像度はケースによって様々で、「30代の男性ビジネスマン」といった簡単な属性だけを決める場合もあれば、職種や家族構成、ライフスタイルなどを細かく掘り下げたペルソナを設定する場合もあります。これはBtoCの場合ですが、BtoB向けの商材やサービスを提供する企業なら、ターゲットは企業、もっと言えば企業内で購買の意思決定に関わる担当者になります。

オウンドメディアを含む全ての情報媒体を作る上で、必ず意識しておかねばならないのは「誰に・何を・どう」伝えるか、ということです。同じ情報でも、伝える相手の考え方や立場、趣味や嗜好、都合によって受け止め方は違ってきます。特にオウンドメディアは情報発信を自社でコントロールできる媒体であり、ターゲットに合わせた伝え方の創意工夫ができますので、「誰に」を明確にする意義はより増します。

発信する情報は何か

目標とターゲットを見定めたら、次はオウンドメディア上で発信する情報のテーマや内容を決めます。この時に最も大切な視点は「ユーザー目線」です。

  • ユーザーはどんな課題を持っているのか
  • ユーザーが今解決すべき問題は何か
  • ユーザーはどんな情報を必要としているのか

こうしたターゲットユーザーの思考を徹底的に突き詰め、そのニーズにこたえる(問題解決につながる)情報をコンテンツとして提供できれば理想です。

オウンドメディア運営において、ターゲットの問題意識や情報ニーズを正しく把握することは、先にあげた属性情報よりもはるかに重要といえます。オウンドメディアはWeb検索からの流入によって集客する媒体であり、ターゲットの検索意図に合わせたコンテンツ設計・作成が不可欠です。ユーザー目線で、Web上でどんな情報を知りたくてどんなキーワードを検索するかを熟考しましょう。

また、どんなテーマやジャンルにせよ、オウンドメディアで発信する情報にはある程度の一貫性が必要です。決めた方針からブレることなく情報発信を続けることでコンテンツはより充実し、読者はそのメディアや運用者(企業)への信頼感を高め、やがてファン化していきます。逆に「あれもこれも書きたい、伝えたい」で内容が散漫になってしまうと、読者に企業のメッセージが伝わりにくく、大きな反響は得られないでしょう。運用当初から、発信する情報の方向性を明確にすることは非常に大切なのです。

配信ペース

オウンドメディア運営は成果が出るまで時間のかかるものであり、それこそ何か月、何年単位での運営に臨む覚悟が必要です。メディア立ち上げ当初は毎日のようにコンテンツを配信できていても、それが1ヶ月後には全く更新が途絶えてしまった、ではSEO効果も望めず存在意義のない媒体になってしまいます。
目指す目標達成のゴールをイメージしながら、どのペースでコンテンツを配信していけば良いか、またそれは現実的に可能なのか、リソースは確保できるのか、などを綿密に検討する必要があります。

特に配信ペースを維持するためのリソースの確保は、オウンドメディアの成否を決める非常に重要な要素です。どんなに素晴らしい戦略や計画でも、実行できなければ意味がありません。社内・社外を問わず、必要な人的リソースと予算を見積もり、無理なく続けられる配信ペースを設定しましょう。そしてスケジュールは必ず明文化し、関係者間で共有・確認してください。

オウンドメディア戦略は、常に見直していくもの

オウンドメディアはWeb広告と違い、その成果を数値的に予測・計算することが難しい媒体です。また、そもそも目に見える成果が現れるまでには相応の時間が必要であり、地道にコンテンツを作り続けていても期待した目的・目標の通りの結果が得られるとは限りません。
綿密に検討した戦略のもと、実際に運用を始めると「思ったほどPVが伸びない」「資料がダウンロードされない」など、なかなか思うような成果を得られず苦心されている担当者様は少なくないと思います。

どんなプロジェクトでも出だしの戦略設計が重要なのは間違いありませんが、ことオウンドメディア運用に関しては、状況に応じてその戦略を柔軟に見直していく姿勢が大切です。「戦略はブレないのが大事。結果が出るまで一度決めた目標は変えちゃいかん!」といったものでは決してありません。
ターゲット設定が甘かったのか、数値目標が現実的でなかったのか、コンテンツの方向性がユーザーニーズに合っていなかったのか…様々な仮説を立てて原因を分析し、PDCAサイクルを回して戦略・目標をアップデートさせていきましょう。

KPIはフェーズに応じて細かく設定する

オウンドメディアの運営状況に応じて柔軟に戦略を展開していくために、KPIはフェーズに応じて段階的に設定していくのがセオリーです。以下に一例をあげます。

  1. メディアを立ち上げたばかりの時期は、サイトアクセスよりもコンテンツの充足を第一とし「週○本コンテンツを追加」など更新頻度のKPIを設定
  2. ある程度コンテンツが蓄積された段階では、ユーザー流入増加を目指して「キーワード『○○○○』で上位表示」などSEO指標のKPIを設定
  3. 安定的にユーザーを獲得できるようになれば、「月○○件の会員登録」など最終コンバージョンでのKPIを設定

また、こうしたフェーズごとのKPIも、長期的な目標を見据えながらメディアの運用状況に応じて継続的に見直していくことが大切です。

失敗例に学ぶ戦略策定のポイント

当社がこれまで多数のメディア運営に関わってきた経験をもとに、オウンドメディア運用の典型的な失敗例と、失敗を防ぐための戦略策定のポイントをご紹介します。ご参考にしていただければと思います。
※詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

コンテンツの更新が途絶えてしまう

オウンドメディアの構築は問題なく行えたものの、メディアに掲載するコンテンツの追加や更新が続かなくなってしまうケースは珍しくありません。更新が途絶えたWebコンテンツは検索順位も伸びず、いずれはユーザーの目に触れないまま放置されてしまいます。

コンテンツ更新が途絶えてしまう理由は「リソース不足」と「ネタ不足」のいずれか、あるいは両方です。
リソース不足に関しては、戦略設計の段階でコンテンツを作成する人材を確保し、またリソースに見合った更新頻度の設定を行うことで回避できます。
ネタ切れによる更新ストップを防ぐためには、メディアを稼働する前に数か月程度のコンテンツの題材や更新スケジュールを決めておくのが理想です。

内容に一貫性がなくなる

オウンドメディアは多数の記事やコンテンツによって構成されますが、運営を継続していくにつれ、情報内容が散漫になり一貫性がなくなっていくことがあります。
一貫性のないオウンドメディアは訪問者に迷いや不信感を与え、本来のターゲット・顧客層を遠ざけてしまう恐れもあります。

先にも触れましたが、オウンドメディアを含む情報媒体は「誰に」「何を」発信するかが非常に重要です。ターゲット層と、訴求するテーマを戦略的に検討し、決定したならそこからブレずに情報発信を続けることです。
なお運用の過程でユーザーの反響をよく分析した上で、発信する内容を当初の方針から変えていくのは問題ありません。

CVへの誘導が強引

オウンドメディアからのCV獲得を急ぐあまり、「サイトにそぐわない不自然なCTAを乱立する」「コンテンツの内容が、読み手に有益な情報よりも商材のPRばかりに偏る」といった悪手でメディアの質を下げ、ユーザーの離脱を招いてしまうケースがあります。

当コラムでも繰り返し申し上げていますが、予算次第で簡単かつ早期に集客できるペイドメディア(Web広告)と違い、オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかります。KPI設定やスケジューリングの際は「コンテンツを地道に蓄積し、成長させながら長い目で成果を追う」というオウンドメディアの性質を、運用担当者はもとより周囲の関係者も十分理解しておきましょう。

オウンドメディア運営に「正解」はない

ここまで様々な角度から、オウンドメディア運営の「戦略」について述べてまいりました。運営が軌道に乗るまで相応の期間が必要なオウンドメディアでは、最初に目的・目標を明確にし、その達成に向かう最適解と必要な戦力を精査するプロセスが重要であるのは、すでに申し上げた通りです。

その一方で、オウンドメディアは様々な要因が関わりながら展開していくもので、実際に運用してみないと「正解」が分からないという一面もあります。「こうすれば必ずうまくいく」といった法則があるものではなく、成功した他社のメディア運用を形だけ真似ても必ずしも同じ結果が得られるとは限りません。
つまるところ、運用を続けながらSEOやユーザーの反響を丹念に分析し、必要な改善を繰り返し、自社メディアならではの「成功の法則」を導くことに尽きます。

中には、KPIを設定せず「コンテンツを更新し続けていくこと」自体を目標に掲げた結果、メディアが想定以上に成長し多数のユーザーを獲得できたケースもあります。
固定観念にとらわれず、戦略をこまめに見直し、関係者でコンセンサスを取りながら進めていくのがポイントといえるでしょう。

戦略設計にはプロの目線も入れよう

私たちスプーは、これまで様々な業種・ジャンルで企業様のオウンドメディア制作に協力させていただきました。今回のメインテーマである「戦略設計」に始まり、コンテンツ制作、運用体制の構築、運用後の成果分析・改善まで一気通貫で対応。貴社のオウンドメディアが成長するまで伴走させていただきます。

戦略策定においては、企業様との丁寧なヒアリングを行い、貴社の商材やサービス、顧客・競合、営業プロセスなど、ビジネスモデル全体への理解を深めた上で確たる成果を出せるメディア戦略をご提案させていただきます。決して当方のやり方を無為に押しつけることは致しません。

自社でのオウンドメディア運営に不安のある企業様、自社に合った戦略や目標設定を見出せない企業様はぜひスプーにお問い合わせください。豊富な制作・運用実績をバックボーンとしたプロの目線でサポートさせていただきます。

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